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2023年7月30日、フットボールと廃棄服課題をコラボレーションした体験型イベント「フットミュージアム2023」が東京都渋谷区原宿で開催された。同イベントでは、使用しなくなったユニフォームの展示や販売、使用済みサッカーボールを使ったアップサイクル体験や公開ラジオ収録が行われた。イベントの主催団体である「ISSUEFOOTBALL」は「BREAKING FOOTBALL ~日本サッカー界の常識を壊し、創造する~」をMISSIONに掲げ、サッカー×社会課題をテーマとした “体験価値” の提供を通じて、サッカーの社会的価値向上ならびに社会課題に対する理解度向上を目指し活動している。今回は同団体で代表を務める中渡瀬太規氏と「ISSUEFOOTBALL」の監修を務める深谷圭祐氏にお話を伺った。

 

―――まずは「ISSUEFOOTBALL」を立ち上げた背景を教えてください。

中渡瀬:私は静岡で生まれ、高校までサッカーをやっていたのですが、通っていた高校のサッカー部が総合型地域スポーツクラブとして活動していました。環境は人工芝のフルコートが1面、フットサルコートが2面ある恵まれた環境でした。そうした背景もあり、テスト中に幼稚園生が人工芝のグラウンドで遊んでいたり、放課後にサッカーを通じて多世代交流が行われたりする環境が当たり前にありました。もちろん部活として勝利を目指しながらサッカーに打ち込んではいましたが、当時から「サッカーは試合(競技)だけが価値ではないと」感じていました。また、「SHUKYU Magazine」というサッカーをピッチ内だけでなく、様々な角度から捉えたカルチャーマガジンが好きでした。その影響もあって、ピッチ外でのサッカーの価値を向上させて行きたいと思っています。そうした背景もあり、運営メンバーの早川開登と「ISSUEFOOTBALL」を立ち上げました。

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―――その後、深谷さんが監修として参画したのですね。参画にはどのような経緯があったのでしょうか?

深谷:僕が元々コーチングの事業をしていたのですが、その時に運営メンバーの一人である富内咲人と出会いました。富内と知り合ってラフにお互いのことを話す機会があり、「ISSUEFOOTBALL」や中渡瀬の存在を知り、お互いにやりたいことも一致していたので監修として関わらせてもらうことになりました。「ISSUEFOOTBALL」が立ち上がってから比較的早い段階で参画させてもらうことになったと思います。

―――「ISSUEFOOTBALL」の理念や活動内容を教えてください。

中渡瀬:現状、活動内容は大きく分けて2つあります。1つ目は今回のフットミュージアムのようなサッカーを通じて”非日常”を味わえるイベントです。そしてもう一つはプラットフォームとしての活動です。イベントに関しては、「BREAKING FOOTBALL ~日本サッカー界の常識を壊し、創造する~」という団体の理念に繋がることを基に行っています。普通に生活していると、サッカーやスポーツはプレイヤーや観戦者として関わる程度だと思います。ただ、サッカーは「競技」や「見る」こと以外にも様々な価値があると思っていて、サッカーのもつ価値を”体験的に”業界の内外に伝えていきたいと思います。プラットフォームとしての活動は、サッカーの持つ価値を業界の外に広げていくことにフォーカスしています。そのためにまずは、業界内でサッカーを多角的な視点で捉えていく必要があると思っていて、それに繋がるように様々なテーマでディスカッションなどを行っています。

 

―――「ISSUEFOOTBALL」の理念がある中で「フットミュージアム」の開催した経緯や目的を教えてください。

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中渡瀬:イベントは「サッカー×社会課題」をテーマにするということを毎回決めています。サッカーを様々な物と掛け算で掛け合わせ、サッカーを通じて社会課題を知るきっかけにしてほしいと思っていてイベントを開催しています。フットミュージアムに関しては、元々私が、「非日常の体験をしたい」という思いがありました。正直、今回行ったユニフォームの展示以外にも、真っ白の服にペンキを塗ったサッカーボールを蹴って当てて、それをユニフォームにしてみたいなどという思いがありました。そうした中でユニフォームにフォーカスしていく中で、廃棄されるユニフォームの存在を知り、フットミュージアム開催に至りました。

深谷:私はイベントを行う中で、イベントを通して社会課題を直接的に解決したいというよりは、「自分たちがワクワクすること」をやっていきたいと思っています。そこで、ユニフォームにフォーカスした結果、それが廃棄服に繋がることを知って「それなら廃棄服をテーマにしてみよう」となりました。

―――今回、フットミュージアムを開催し、参加者の方と交流する中で印象に残った話や参加者の反応からどのようなことを感じましたか?

中渡瀬:今回のフットミュージアムの開催は、クラウドファンディングを実施するなど、本当に多くの方にご協力頂きました。その中で、ユニフォームやヴィンテージのユニフォームなどを提供頂いた方が実際に会場に足を運んでくださいました。来場された方々と話しをする中で、「壁に飾ってある廃棄服と紙に書かれている廃棄服に関する文言を見て感動した」、「本当にいい空間だね」というような感想を頂きました。実際、来場者の平均滞在時間が2時間近くになりそうなくらい一人一人長い時間滞在頂きました。本当に価値のあることだなと感じました。

深谷:参加者の方々の滞在時間を満足度だとすると、本当にかなり満足してくれたと思います。普段、会えない友達もたくさん来てくれたのも良かったです。また、私たちが意図する以上に参加者の方が廃棄服問題について感じ取ってくれた印象を受けました。フットミュージアムというくらいなので、美術館のような雰囲気になるように会場作りをしましたが、来場された方、特に大学生世代などの若い人たちは普段あまり美術館に行かないと思います。そんな中で「美術館って面白いな」と思ってもらえたり、中渡瀬の言っているように「一つのキャプション」を見て感動してくれたことで、廃棄服問題の認知向上以上の価値を提供できたのではないかと思いました。

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―――今回のイベントで学んだことや得たものはどんなことですか?

中渡瀬:今回のイベントで企画の段階から運営メンバーに本当に色々助けられました。私は想いやパッションで突き進んでいくタイプですが、そこに理論を付け加えてくれ、それを実際に形にしてくれたのが運営メンバーで本当に優秀なメンバーだと思います。そして、フットボールには(競技以外にも)私たちが思っているよりも遥に大きな価値があることも学びました。また、サッカーを通して廃棄服問題を知ってもらうことがゴールでしたが、知ってもらって、その先にどういうアクションを起こしていってくれるのかということを含め、こうした活動を継続することで日本サッカーに影響を与えていけるのではないかと感じました。もちろん、初めての大型イベントで反省点も多くありましたが、フットボールの価値を感じたことが1番ですね。

 

深谷:まずは、中渡瀬が言うように運営メンバーが本当に素晴らしいということが一番ですね。中渡瀬が本当に優秀なリーダーで、それを支える熱量の高い運営メンバーがいます。私はそれを見守るような感じでしたが、本当に良いメンバーだなと改めて感じました。これからもこのメンバーとワクワクすることをしていきたいと思いました。今回のイベントは「お客さんが本当に来るのかどうか」という不安もあった中で、お金を払ってきてくれたことは本当に良かったと思っています。得たものとしては、「自分達の考えややっていること」の方向性は間違っていないということが再認識できました。私たちの考えやしていることが内輪ではなく、団体以外の方々にも価値を提供できるということが感じられたのは大きなことだと思っています。

 

―――今後していきたい活動と「ISSUEFOOTBALL」をどんな団体にしていきたいかを教えてください。

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中渡瀬:現在、社会課題をテーマに活動していて、様々な社会課題があるので、全ての社会課題を網羅したいと考えています。今回開催したフットミュージアムも年に一度くらいのペースで開催し、「ISSUEFOOTBALL」のコンテンツにしていきたいです。フットミュージアムに関しては今回行った実績があるため、また開催できるという自信もありますし、単発ではなく継続して行いたいと思います。実際に、廃棄服以外のイベントの話が来ていたりもするため、今後もイベントを行っていき、社会課題の認知向上や非日常が体験できる場を提供したいです。また、今後は「昔授業で似たようなことやったな」といった懐かしい感覚になれるようなイベントもやっていきたいと思っています。私たちは変わった考え方を持つ運営メンバーが多く、コンテンツを作れることが強みだと思うので、私たちにしかできない非日常体験ができるイベントを作っていきたいです。

深谷:私は大前提として、「メンバーが楽しめる」イベントを開催したいと思っています。まず、自分達が楽しめるものでないと他のフットボーラー達が楽しめないと思うので、自分達が本気で楽しめる、尚且つ意味のあるイベントを開催したいです。そして、もっと多くの人を巻き込んでいきたいと考えています。今回のフットミュージアムも、価値はものすごくあるけど、まだまだ人が少ない(来場者は約50名)と思うので、そこの施策を考え、日本サッカー界にムーブメントを起こせるイベントを行いたいです。そうすることで、「ISSUEFOOTBALL」のネームバリューも上がっていくと思うので、どんどんアップデートしてイベントを行い続けたいです。

―――お忙しい中ありがとうございました!

中渡瀬、深谷:ありがとうございました。

 

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