プレミアリーグ

リバプールとマンチェスター・シティが勝ち点差1で最終節を迎える今シーズンのプレミアリーグ。

リバプールはウルブスとアンフィールドで、シティはアストンヴィラとエティハドスタジアムで対戦する。リバプールのレジェンドであるジェラードが監督を務めるヴィラはシティ相手にどのような試合を見せるか注目が集まる。

最終節まで優勝争いがもつれ込むことになった今シーズンだが、過去にも今年と同様、最終節までもつれこんだ優勝争いやCL出場権争い、残留争いで起こった印象的な出来事を紹介する。


チェルシー 2-1 リバプール – 2002/03

プレミアリーグ

2002−2003シーズンのプレミアリーグ最終節、チェルシーとリヴァプールの一戦は、試合前から「2000万ポンドの試合」と言われ、チャンピオンズリーグ出場権を賭けたビッグマッチとなった。

当時、負債が膨らみ、資金を必要としていたリバプールにとっては、非常に大きな意味を持つ一戦となった。

スタンフォード・ブリッジでの一戦を前に、両チームは勝ち点で並んでいた。

試合は開始11分、ダニー・マーフィーのフリーキックにサミ・ヒーピアが頭で合わせ、先制した。

しかし、その2分後、チェルシーはマルセル・デサイーがクロスに合わせ、同点に追いつくと、27分にはグレンケアがリーゼのマークを外し、ファーにゴールを決め、逆転に成功。

チェルシーが2−1で勝利を収め、CL出場権争いを制した。

チェルシーのオーナーを務めた人物として有名なロマン・アブラモビッチ氏は2003年7月にチェルシーのオーナーに就任したが、マンチェスター・ユナイテッドが 2002/03シーズンのチャンピオンズリーグでレアル・マドリードと対戦した試合のスリルに魅了され、プレミアリーグのクラブ買収に興味を示している最中、チェルシーが同大会に出場したことで一転買収に動いたとも言われている。


ウェストブロム 2-0 ポーツマス – 2004/05

 2004/05シーズンのプレミアリーグでは最終節を前に、降格が確定していたチームはなかった。5月15日に行われた最終節は、ウェストブロムが最下位、サウサンプトンとクリスタルパレスが1ポイント差、ノリッジシティが残留圏内の最下位から2ポイント差でスタートした。1992-1993年に現在のプレミアリーグが誕生して以来、初めて最終節を迎えても降格が確定しているクラブがいないシーズンとなった。

この4チームのうち残留できるのは1チームだけである。最終節はSky Sportsによって「サバイバル・サンデー」と名付けられ、最終節を前に盛大なプロモーション活動が行われた。

クリスマスには最下位だったウェストブロムは、一時は降格圏を脱出するなどしていたが最終節を前に再び最下位に沈んでいた。

迎えた最終節、ウェストブロムはホームでポーツマスを2-0で破り他会場の結果を待った。唯一、自力残留の権利があったノリッジは、フルアムに6-0で敗れた。

サウサンプトンはホームでマンチェスター・ユナイテッドに2-1で敗れ、パレスはアウェイでチャールトン・アスレティックと対戦し、終了間際にジョナサン・フォーチュンに同点ゴールを決められ、パレスは引き分けた。こうしてウェストブロムの残留が決定し、プレミアリーグ史上初めてクリスマスに最下位だったクラブが降格を免れた事例となった。

先に試合が終了し、他会場の結果を待っていたウェストブロムの選手もファンも残留が決まったことがわかった瞬間、ピッチに侵入し、大喜びすることになった。


マンチェスター・シティ 3-2 QPR – 2011/12

最終節を前に勝ち点84で並んだユナイテッドとシティはそれぞれサンダーランドとQPRと対戦した。両者のリーグ戦における得失点差はシティが大きくリードしており、勝ち点で並んだ場合は事実上シティが優勝することが決まっていた。

シティは降格の危機に瀕しているQPRを相手に勝利する必要があったが、UAEの投資グループADUG)の買収以来初のプレミアリーグ制覇の大きなチャンスだった。

試合はパブロ・サバレタが先制ゴールを記録したものの、QPRにジブリル・シセとジェイミー・マッキーのゴールで逆転を許した。

一方ユナイテッドはウェイン・ルーニーのゴールでサンダーランドに1-0でリードしていたため、シティが44年ぶりのリーグ優勝を果たすには2ゴールを決め、勝利するほかなかった。

ざわつくエティハドスタジアムだったが、エディン・ジェコのヘディングシュートが決まりスタジアムの雰囲気が一変した。ユナイテッドが一足先に勝利し、シティが優勝するにはあと1ゴール奪う必要があった。そして試合時間残り数秒のところでそのゴールは生まれた。

バロテッリからパスを受けたセルヒオ・アグエロが抜け出すと強烈なシュートをニアに突き刺した。試合は3−2で終了し、シティの優勝が決定した。