先日、ボカ・ジュニアーズの優勝で幕を閉じた2022年のアルゼンチンリーグ。現在1部リーグに28チームが所属していることをご存じだろうか。
28チームとは他のリーグを見てもかなり異例だ。欧州5大リーグでは、ブンデスリーガが18チームでそれ以外は20チーム(リーグアンも23-24年から18チームに変更)。Jリーグも18チーム。近くのブラジルリーグをみても20チームとこれくらいの数字が普通であるということがわかる。
ではなぜこれほどまでにチーム数が増えているのか。元々アルゼンチンリーグはややチーム数が多い傾向にあるものの、ここ最近の原因はコロナウイルスの流行にある。
19-20年はコロナウイルスの影響で途中打ち切りになったのだが、その際降格チームを2021年まで生み出さないことを決定した。昇格は通常通り行われるため、19-20年に24チームだったのが、2021年には26チーム、2022年には28チームと必然的に膨れ上がることになった。
そこで現在考えられているのが、2026年に22チームに調整すること。2022年は2チームの昇格・降格だが、2023年は2チームの昇格と4チームの降格、2024年と2025年も同様だ。これにより2026年から22チームで1部リーグを戦うことになる。
さて、今回久しぶりに降格チームが出た2022年シーズンだが、2023年に2部リーグでのプレーを強いられたのはパトロナートとアルドシビだ。無念の降格となってしまった。
ちなみにパトロナートはコパ・アルヘンティーナ(国内カップ戦)の決勝まで進んでいるのだが、準々決勝・準決勝でそれぞれリーベルプレートとボカジュニアーズを破っている。そして、リーガ・プロフェシオナル(アルゼンチンリーグ後期)でも10位という成績を残している。
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— Club A. Patronato (@ClubPatronatoOf) October 27, 2022
アルゼンチンリーグの昇格・降格システム
では、なぜパトロナートが降格することになったのか。それは、アルゼンチンリーグの特殊な昇格・降格システムにある。
実はアルゼンチンリーグでは、1シーズンの成績下位2クラブが降格するわけではなく、「過去3シーズンの獲得勝ち点÷試合数」で出た数字で決められる。
※コパ・デ・ラ・リーガ・プロフェシオナル(アルゼンチンリーグ前期)の決勝トーナメントでの試合は、「試合数」に含まれない。
例えば今回のパトロナートを例に出すと、19-20年の勝ち点が23、2021年の前期・後期合計勝ち点が37、2022年の前期・後期合計勝ち点が50であるため、合計は110となる。
そして戦った試合数は、103試合であるため、110÷103=1.067。この「1.067」という数字が28チーム中27位であったため、降格を余儀なくされたのだ。
来シーズンからは4チームがこの数字によって2部リーグへ降格することになる。どのような結果になるのか注目しておこう。
【参考】
1. リーベルプレート:1.922
2. ボカジュニアーズ:1.873
3. ラシンクラブ:1.699
4. デフェンサ・イ・フスティシア:1.582
5. アルヘンティノス:1.553
6. ティグレ:1.536
7. ベレス・サルスフィエルド:1.504
8. エストゥディアンテス:1.475
9. タジェレス:1.446
10. サン・ロレンソ:1.407
11. インデペンディエンテ:1.368
12. ヒムナシア:1.359
13. ニューウェルズ・オールドボーイズ:1.359
14. ウラカン:1.339
15. バラカス・セントラル:1.292
16. ロサリオ:1.281
17. コロン:1.262
18. ウニオン:1.262
19. トゥクマン:1.252
20. ラヌース:1.242
21. バンフィエルド:1.194
22. セントラル・コルドバ:1.145
23. サルミエント:1.126
24. アルセナル:1.116
25. ゴドイ・クルス:1.116
26. プラテンセ:1.101
27. パトロナート:1.067
28. アルドシビ:0.990