スペイン国王杯(コパ・デル・レイ)の放映権をめぐるスペインサッカー連盟(RFEF)との訴訟で、スペインの放映会社「Mediapro」に有利な判決が下された。同社は、2019-2022年の国内外での国王杯放映権獲得のための入札リストから除外されたとしてRFEFを提訴していた。RFEFは、Mediapro社に賠償金を支払う必要があるが、その金額はまだ公表されていない。

判決では、RFEFが選ぶ側という地位を乱用してMediapro社に損害を与えたと立証されており、放映権を与えられなかったことによる損失分を補償するよう求めた。判決文によると、RFEFは入札において、「HDで放送することを入札条件に設定」「権利のサブライセンスの妨げ」「最低予備価格の設定」「市場価格に対して不釣り合いな価格の設定」が欧州連合条約の競争防衛に関する法律に違反したという。

2019年10月、RFEFは国王杯の権利管理を落札するための入札を呼びかけたが、その条件に当時Mediapro社が濫用とみなした条項を含んでいたため、最終的に入札に参加しなかった。その数週間前には、Mediapro社は3シーズンで最大1億5000万ユーロ(約195億8500万円)のオファーを出していた。

オファーは、2019-2020年と2021-2022年に、1シーズンあたり4050万ユーロ(約52億8800万円)を提案し、年ごとに少しずつ支給額を増やしていく累進契約を想定したものだった。その金額に加えて、スペイン国外での権利の商業化を引き継ぐために、さらに3シーズンで6000万ユーロ(約78億3400万円)が支払われる予定だった。

最終的に、スペインでの権利はMediaset社に与えられ、他の国際パートナーとともに、2019年から2022年の間に1年当たり8000万ユーロ(約104億4500万円)を支払うことになった。その後、Daznが別のスペイン放映会社のオーナーとサブライセンス契約を結び、1シーズン最低50試合の独占放送、さらに15試合のMediaset社と共同委託放送の権利を得た。また、今シーズン、DaznはFootters社と契約し、52試合を独占的に放送することになった。

国王杯の放映権をめぐるMediapro社による裁判で、同社に有利な判決が下されたのは今回が初めてではない。2020年2月、マドリード州裁判所は、Mediapro社が契約を締結できないようにする契約条項の排除を強制したことに対するRFEFの上訴が却下されている。