プレミアリーグ

先日FAカップ決勝でPK戦の末、チェルシーを下し16年ぶりの優勝を果たしたリバプール。2月に行われたガラバオカップ決勝でもチェルシーを下しており、今シーズン2つ目のタイトル獲得となった。

さらにレアル・マドリードとの決勝戦を控えるチャンピオンズリーグ、マンチェスター・シティとの最終節にまでもつれこんだプレミアリーグと4冠の可能性を残している。

リバプールの今シーズンの充実ぶりは選手層の厚さ、クロップ監督のチームマネジメントの賜物だろう。

CLやFAカップといった一発勝負のコンペティションにおいて全て決勝に進出するということは並大抵の勝負強さではないことを示している。

今回は、そんなリバプールと同じく同一シーズンでFAカップとチャンピオンズリーグという競争力の高いコンペティションにおいて、同一シーズンで両方の決勝に進出したクラブを紹介する。


マンチェスター・ユナイテッド-1999年


FAカップ、チャンピオンズリーグ、プレミアリーグの3冠を達成した唯一のチームであるマンチェスター・ユナイテッドの1999年シーズンは、間違いなく史上最高のチームであった。

彼らはバルセロナでのチャンピオンズリーグ決勝のわずか4日前にFAカップ決勝が行われるという不運にも見舞われた。

当時サー・アレックス・ファーガソンがチームを率いていたユナイテッドは、ウェンブリーでポール・スコールズとテディ・シェリンガムのゴールにより、ニューカッスルを軽々と攻略し、2-0の勝利を収めた。

バイエルン・ミュンヘンとのチャンピオンズリーグ決勝では、開始早々ゴールを許し、90分を迎えたが、後半ロスタイムに途中出場のシェリンガムとオレ・グンナー・スールシャールが立て続けにゴールを決め試合をひっくり返し、「カンプ・ノウの奇跡」として語り継がれる劇的な優勝を収めた。彼らはこのシーズンでプレミアリーグを含めた三冠を達成した。

チェルシー-2012


チェルシーは、リーグ戦で6位に終わったものの、FAカップ決勝、チャンピオンズリーグ決勝に進出した。

シーズンスタート時の不調によりアンドレス・ビラス=ボアス監督が解任され、ロベルト・ディ・マッテオが暫定監督として就任したが、これは史上最高の暫定監督となった。

FAカップ決勝では、ラミレスとドログバのゴールでリバプールに2-1の勝利を収めたが、チャンピオンズリーグ決勝では多くの選手が出場停止で欠場が確定していた。

ミュンヘンで行われた決勝ではジョン・テリー、ラミレス、ブラニスラフ・イバノビッチ、ラウール・メイレレスが出場停止で欠場となり、ライアン・バートランド、ガリー・ケイヒル、ダビド・ルイスがCL決勝で彼らに代わって出場した。試合はドログバの劇的な同点ゴールで追いつくと、PK戦にまで持ち込んだチェルシーがバイエルン・ミュンヘンを下し見事優勝を果たした。

チェルシー-2021


フランク・ランパードがシーズン序盤の不振で解任された後、トーマス・トゥヘルが後任として就任し、わずか数ヶ月でチェルシーを両ファイナルに導いた。

「監督として、無駄な時間はない。正直なところ、今はFAカップを戦い、チャンピオンズリーグで戦う準備をし、相手にとって対戦したくないチームを作りたい」と、2021年1月の就任時にトゥヘルは述べている。

そして、チェルシーは見事に両ファイナルに進出した。

しかし、ウェンブリーでレスターのユリ・ティーレマンスにゴールを決められ1-0の敗北を喫した。その2週間後にチャンピオンズリーグ決勝が行われた。

チェルシーはポルトに乗り込み、プレミアリーグ王者であるマンチェスター・シティと対戦した。プレミアリーグ同士の決勝となった試合は前半にハヴァーツがゴールを決め、チェルシーが1-0で勝利し、2度目の欧州チャンピオンに輝いた。