ドルトムント

サッカーもプレーのみならずビジネスの一つ。選手たちは自身のキャリアアップやチームの勝利に向けて全力でプレーに取り組むが、一方でクラブ経営陣はピッチ上での成績に加え、如何にして安価で選手を購入し、高額で売却するかを考える必要がある。

先日、ハーランドがドルトムントからマンチェスター・シティへ移籍することが発表された。ザルツブルクからドルトムント、そして最高峰プレミアリーグの強豪クラブとステップアップに成功している。

ドルトムント経営陣からすると、戦力が大幅に低下するマイナス面はあるものの、ザルツブルクから購入した際の金額と比較すると大きな利益を得ることとなった。

今回は、有名選手の売買に成功しているいくつかの欧州クラブに注目してみよう。(データ参照:Transfermarkt)

ドルトムント

まずはドルトムント。ドイツブンデスリーガで毎年上位に食い込む強豪クラブだが、優秀な選手が引き抜かれる例も多い。直近で言えばハーランドだ。

しかし、経営面から見た選手売買のやりくりは上手くいっていると言えるだろう。例えば、ウスマン・デンベレはレンヌから3500万ユーロで購入したが、バルセロナへの売却額は1億4000万ユーロと1億ユーロ以上の利益を生み出している。

ちなみに、香川真司はセレッソ大阪からフリーで獲得し、マンチェスター・ユナイテッドへ1600万ユーロで売却している。

【主な選手の売買】

◆オーバメヤン:1300万ユーロで獲得、6300万ユーロでアーセナルへ売却
◆プリシッチ:25万ユーロで獲得、6400万ユーロでチェルシーへ売却
◆サンチョ:800万ユーロで獲得、8500万ユーロでマンチェスターUへ売却
◆ハーランド:2000万ユーロで獲得、6000万ユーロでマンチェスターCへ売却
◆ギュンドアン:550万ユーロで獲得、2700万ユーロでマンチェスターCへ売却

ASモナコ

次にフランスリーグ1のASモナコ。16-17年を含む8回の優勝を誇る強豪だ。一番大きな購入はFCポルトから獲得したハメス・ロドリゲスの4500万ユーロで、一番大きな売却は19歳の時にPSGに売却したキリアン・ムバッペの1億4500万ユーロとなっている。

ASモナコは2012年以降の移籍金収支が8600万ユーロのプラスになっており、これは上手く売買ができている証拠だ。10億1800万ユーロを獲得に費やし、11億400万ユーロで売却している。

 

【主な選手の売買】

◆ハメス・ロドリゲス:4500万ユーロで獲得、7500万ユーロでレアルに売却
◆ベルナルド・シウバ:1575万ユーロで獲得、5000万ユーロでマンチェスターCに売却
◆ファビーニョ:600万ユーロで獲得、4500万ユーロでリバプールに売却
◆B・メンディ:1300万ユーロで獲得、5750万ユーロでマンチェスターCに売却
◆マルシャル:500万ユーロで獲得、6000万ユーロでマンチェスターUに売却

アヤックス

09-10年以降エールディビジで2位か1位をキープしているオランダの強豪アヤックス。ここ最近は非常に大きな売却を数件成功させている。

19-20年には絶対的主力だったフレンキー・デヨングをバルセロナに8600万ユーロで、デリフトをユベントスに8550万ユーロで売却した。彼らはアヤックスの下部組織出身であるため、クラブにとっては大きなプラスとなった。

また、翌年にはツィエクとファン・デ・ベーグをそれぞれチェルシーとマンチェスターUに売却し、約8000万ユーロを手にした。

【主な選手の売買】

◆ツィエク:1100万ユーロで獲得、4000万ユーロでチェルシーに売却
◆スアレス:750万ユーロで獲得、2650万ユーロでリバプールに売却
◆ダビンソン・サンチェス:500万ユーロで獲得、4200万ユーロでトッテナムに売却
◆フンテラール:900万ユーロで獲得、2700万ユーロでレアルに売却
◆ミリク:280万ユーロで獲得、3200万ユーロでナポリに売却

FCポルト

ポルトガルリーグ屈指の強豪クラブであるFCポルト。21-22年も優勝しており、歴代で見ると30回リーグチャンピオンになっている。また、チャンピオンズリーグも2回の優勝経験がある。

そんなポルトだが、欧州5大リーグに優秀な選手を引き抜かれることも多々ある。最近で言えば、コロンビア代表ルイス・ディアスがリバプールに移籍した。ただ、ポルトは722万ユーロで購入し、4500万ユーロで売却に成功しており、戦力はダウンしているものの大きな利益を手にしている。

【主な選手の売買】

◆ルイス・ディアス:722万ユーロで獲得、4500万ユーロでリバプールに売却
◆ファルカオ:543万ユーロで獲得、4000万ユーロでASモナコに売却
◆ミリトン:700万ユーロで獲得、5000万ユーロでレアルに売却
◆ぺぺ:200万ユーロで獲得、3000万ユーロでレアルに売却
◆マンガラ:675万ユーロで獲得、4500万ユーロでマンチェスターCに売却

セビージャ

ラ・リーガで毎年上位に食い込んでくるセビージャ。強豪クラブのイメージが強いが、意外にもラ・リーガ優勝は1945-46年以降一度もない。ヨーロッパリーグ(UEFAカップ時代を含む)では6回優勝している。

セビージャで最も成功した売買はダニ・アウベスだろう。ブラジルのバイーアから55万ユーロで獲得し、バルセロナに3550万ユーロで売却した。経営面では大成功だが、同じラ・リーガのライバルとあってピッチ上では苦しむこととなった。

【主な選手の売買】

◆ダニアウベス:55万ユーロで獲得、3550万ユーロでバルセロナに売却
◆ベンイェデル:950万ユーロで獲得、4000万ユーロでASモナコに売却
◆ラキティッチ:250万ユーロで獲得、1800万ユーロでバルセロナに売却
◆ラングレ:540万ユーロで獲得、3590万ユーロでバルセロナに売却
◆ビトーロ:320万ユーロで獲得、3560万ユーロでアトレティコに売却

フィオレンティーナ

セリエAの中堅クラブであるフィオレンティーナ。セリエAで2回優勝しているが、55-56年と68-69年でかなり昔の話となっている。移籍の話に関して最近で言えば、ヴラホヴィッチをユベントスに8160万ユーロで売却し、大きな利益を得た。

【主な選手の売買】

◆ヴラホヴィッチ:320万ユーロで獲得、8160万ユーロでユベントスに売却
◆バティストゥータ:250万ユーロで獲得、3615万ユーロでローマに売却
◆ルイ・コスタ:550万ユーロで獲得、4132万ユーロでACミランに売却
◆ヨベティッチ:800万ユーロで獲得、2600万ユーロでマンチェスターCに売却
◆フェリペ・メロ:800万ユーロで獲得、2500万ユーロでユベントスに売却

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