代理人

  • 2023年7月迄、代理人の利益の上限は10%となる。

  • FIFAでは、ライセンスを持っていない限り、家族へのコミッションを撤廃する。

選手を移籍する上で、度々ネックになってくるのが代理人手数料だ。パンデミックの影響で移籍市場が干上がってしまい、フリーで移籍する選手が多いが、その原因の一つとしてもこの手数料問題は切っても切れない存在となっている。

しかし、FIFAは2023年7月までに、ハーランドやムバッペのような移籍の際に代理人が請求する破格の手数料を廃止しようとしている。強力なコミッションエージェントである選手の親族も、ライセンスを取得していない場合は移籍で収入を得る権利は発生しなくなるのだ。

FIFAは2022年6月から9月の間に採択されるこの新しい代理人規定を適用する。そうなれば、移籍の世界は一転して、クラブにとって悩みの種が一つ消えるだろう。

これまで、特に近年では、クラブは移籍金を高額にする代理人手数料の壁に突き当たっていた。選手と契約するにも、選手を売るにも、少しでも多く儲けようとする代理人との取引は必要不可欠。しかしそれだけではなく父親や母親、あるいはいとこも、正式な免許を持たないまま、自分の取り分を交渉していたのが今までの実情だ。

これらの行為は今までは合法であったが、あと1年余りでルールが変更される。

このルールでは、代理人が売却側のクラブを代表している場合は移籍金の最大10%、選手または購入側のクラブのどちらかを代表している場合は最大3%、両方を同時に代表している場合は最大6%を上限として請求することが義務付けられるようになる。

過去には、代理人が売却クラブ、購入クラブ、選手の3者を同時に代理するケースがあったが、「明らかな利益相反」を避けるため、3者すべての代理をすることは禁止される。ただし選手と購入クラブの両方の代理人を同時に務めることは可能となる。


身内へのコミッションの廃止

近年、多くのクラブに深刻な問題を引き起こすほど着実に成長している第三の勢力についても、FIFA会長のジャンニ・インファンティーノが対策を講じようとしているようだ。記憶に新しいところでは、ネイマールがバルセロナに移籍した際、父親が4000万ユーロもの手数料を受け取っていたことを認めた件がある。

しかし今後家族は、ライセンスを取得した後、正式なエージェントになった場合にのみコミッションを利用できるようになる。ひとつの例として、ムバッペの件のように親が子どもの移籍について大きな発言力を持つのは、おそらくこの夏が最後だろうということが挙げられる。

そして、このプロジェクトを完成させるために、FIFAはお金の痕跡を追う予定だ。タックスヘイブンでの支払いに歯止めをかけようと、銀行を経由して具体的な場所でコミッションを支払うというプロジェクトで問題に取り組むことになる。つまり、イタリアやスペインを拠点とする代理店であれば、専らイタリアやスペインでの支払いとなる。


エージェントのスーパービジネスは終焉を迎えるのか?

FIFA

今回の措置で、FIFAはジョナサン・バーネットやメンデスのようなスーパーエージェントのキャリアに完全に終止符を打つつもりはないだろう。ただ単純に稼ぎが減るということにはなる。

つまり、彼らにとって超高額のビジネスモデルは終焉を迎えるということだ。新しい法定上限パーセンテージでは、彼らの収入は少なくなる。

もし代理店が、より高い割合の手数料を獲得するために、より高い解約条項を推し進めようと考えたとしても、それは不可能である。例えば約5億ユーロなど高額な契約条項に対しては既にFIFAがしかるべき対応をしているため、この方法ではエージェントは収入を増やすことができないだろう。

今後FIFAは理事会で承認される最終規則は、すべての関係者に配布され、2023年7月からこの新ルールをスタートすることを目指している。