公害や気候変動はもちろんサッカー界にも関係してくる。Athleticは、水位上昇に関連する状況として考えられることから、サッカー界に関する状況を分析した。

Athleticの調査によると、2050年にはスタンフォード・ブリッジが水没してしまうという。また、ウェストハムのロンドンスタジアムやフラムの本拠地クレイヴン・コテージなどもそうだ。多くのスタジアムが水害に晒されている。それはイギリスだけではないという。

今日でも、先週は記録的な猛暑の中、イングランドで山火事が発生したりプレシーズンの親善試合では、夜遅くだったにもかかわらず極端に暑い気温の中で行われたそうだ。英国で発生した気温が40度を超えた熱波は、人為的な気候変動がなければ起こり得なかっただろうと、科学者たちは語っている。

そして一つのサッカーというスポーツがある以上それを取り巻く産業は計り知れない。プレミアリーグはイギリスメディアAthletic紙に、「環境サステナビリティ戦略の策定中であり、気候変動対策を実施する計画や、生物多様性や持続可能な資源管理など、その他の優先課題に取り組む計画を明確にする」と述べている。

プレシーズンマッチだけでも数々の名門クラブが遠征で世界各地を飛び回っているが、遠征によって数千トンの二酸化炭素量を排出しているという。ユナイテッドのプレシーズンマッチのフライトだけでも約1,800トンを排出しており、これは1年間にイングランドの約350世帯が消費する電力、または1年間に約400台が走行する自動車に相当する。

ロシアW杯では、1年間走行した自動車の約50万台分に相当する216万トンの二酸化炭素を排出したと推定されている。カタールで開催される今年の大会では、360万トンの二酸化炭素が発生すると推定されているが、主催者はカーボンニュートラルであるということを表明している。

プレミアリーグ、クラブの様々な取り組み

このように迫りくる環境問題に対してプレミアリーグは2021年11月、FIFAやUEFAと同じようにスポーツ団体の一つとして、気候変動に関する国際連合枠組条約(UNFCCC)の「気候変動対策のためのスポーツ」フレームワークに署名した。これには、2040年までにゼロエミッションを達成する目標も含まれている。

またプレミアリーグやチャンピオンシップの各クラブも環境問題には向き合っており、チャンピオンシップのリーディングFCはユニフォームを全てペットボトルのリサイクルで制作している。

ブレントフォードは22-23シーズンはエコフレンドリーによって21-22シーズンと変わらず同じユニフォームを使用すると決めている。

マンチェスター・シティは2020年に水テクノロジー企業「Xylem」と共同で、2045年、深刻な干ばつで水が枯渇した世界でのフットボールをイメージしたビデオをアップロードした。

マンチェスター・ユナイテッドはオーストラリアのカーボンニュートラル社と契約を交わすことでプレシーズンマッチの遠征によって発生する二酸化炭素1800トンの相殺に成功している。