アトレティコ・マドリード

アルゼンチン人のシメオネが率いるリーガの強豪アトレティコ・マドリードは、凄まじい成長を見せている。それはプレー面だけでなく、経済面に関してもだ。2014年からチームはヨーロッパサッカーの中でもトップクラスに潤っている。

プレー面の成長


まずはアトレティコのサッカー面における成長を見ていこう。シメオネがアトレティコの監督になった2011年以降、チームは素晴らしい成績を残してきた。4-4-2で守備を堅め、少ない人数でゴールを奪う。そして全選手が走り続け、隙のないチームになったことが功を奏した。今やアトレティコの「形」になっている。

・リーグ優勝2回
・毎年チャンピオンズリーグ(以後CL)に参加
・2回CLの決勝の舞台に立つ
・ヨーロッパリーグ(以後EL)優勝2回
・コパ・デル・レイ(国王杯)優勝1回
・スーペルコパ・デ ・エスパニャ 優勝1回
・スーペルコパ・デ ・エウロパ 優勝2回

これらは主な成績だ。しかしさらに驚くべきは、なんと2013年以降リーガで3位より下の順位を取ったことがないことだろう。強豪が揃うスペインリーグでこのような記録を残すことは、そう容易いことではない。


経済面の成長


このような成績を残すと、自ずとチームの懐は潤ってくる。2011年(シメオネが監督になった年)、アトレティコはヨーロッパ内で23番目に多い収入を得ていた。当時はバレンシアより2ポイント順位が低く、レアルとバルセロナと比べると5分の1ほどであった。

しかしそれ以降、先ほど挙げた功績が影響して、徐々に2大ライバル(レアル・マドリード、バルセロナ)との差が縮まっていき、2019-20シーズンでは約2分の1までになった。テレビ放映権、チャンピオンズリーグへの連続参加などによるものである。

選手の評価


サッカーの経済面を語るにおいて欠かせない事項で「選手の評価」がある。数年前から「プレーの質」「年齢」「成績」「ポテンシャル」など様々な観点から選手を評価するプラットフォームが出来始めた。一番有名なのは「Transfermarkt」だろう。スペインの3強豪チームに所属する選手も評価しているわけだが、アトレティコはレアル、バルセロナに見劣りしないどころか上回っている。

2018-19シーズンにレアルを越すことに成功した。ちなみにその当時レアルはアトレティコの2.5倍の収入を得ていた。そして同シーズン、もう一つのライバルチームであるバルセロナをも上回った。そのシーズンの選手たちの年俸は、

・アトレティコ→2億2700万ユーロ(約303億8395万円)
・レアル→4億1100万ユーロ(約550億1235万円)
・バルセロナ→4億8700万ユーロ(約651億8495万円)

であった(日本円換算は2021年6月2日時点のレート)。このように圧倒的にチーム年俸が低いにもかかわらず、選手評価はアトレティコがこの3チームの中でトップだった。

監督の給料


実はシメオネは一番給料をもらっている監督である。France Footballが打ち出したデータによると、2020年から合計4320万ユーロ(約57億5555万円)を受け取っており、2位のマンC監督グアルディオラの2320万ユーロ(約31億532万円)に大きく差を付けている。

アトレティコの存在感


アトレティコの効率の良さや実力はリーガのチームバランスを保つ大きな役割を果たしており、レアル&バルセロナの完全2強時代を打ち壊した。現在チームは国際レベルでのブランドイメージ強化、2017年に作られたホームスタジアム「ワンダ・メトロポリターノ」の更なる拡張、大陸間における大会での成績向上などによって収入の上向きを目指している。アトレティコのチーム力なら、もっと上にいけるだろう。

「私たちアトレティコはセビージャやバレンシアと比べなければならない」

そのように言われていた時代は遠く昔のことに感じる。経済成長をする一方でアトレティコサポーターは、並のチームに戻らない、また先ほどの収入あたりの効率を表した指標を維持することを望んでいる。