セビージャFCは、昨年4月に2020-2021シーズン末までの契約を結んだeコマース企業とグローバルスポンサーとしての契約延長を交渉している。その一方で、ユニフォームの胸のスポンサーも探している。


セビージャFCの商業的な問題は前途多難だ。ブランドとしての再構築の過程にあるクラブは、グローバルスポンサーとしてのAliExpress社の契約延長を交渉している。クラブは昨年4月に中国の大企業と契約し、ユニフォームの背中で存在感を示したが、それはシーズン終了までの契約だった。今回、2021-2022シーズンもこのブランドとの契約を延長しようとしていることが、関係者の証言で明らかになった。

クラブの新しいゼネラル・ビジネス・ディレクターであるホルヘ・パラデラ氏にとって、この契約の存続は今夏最大の課題である。ホルヘ・パラデラ氏は多国籍企業であるハイネケンからネルビオンに移籍したラモン・ロアルテ氏の後任として、コンサルタント会社アルトリアン・グローバル・スポーツを設立した。

今回の契約は、セビージャFCにとってもAliExpress社にとっても非常に重要な意味を持つ。AliExpress社にとっては、スペインスポーツ界参入の絶好機だ。AliExpress社は、Amazonの公式ショップを閉鎖したセビージャのマーチャンダイジングを販売するためにパーソナルスペースを開設した。また、オールド・トラフォードの前でキャンペーンを行うなど、広告宣伝にも積極的だった。

「スペインは重要な市場であり、私たちは常にお客様とできるだけ多く、有意義な形でつながりたいと考えています。」とスペインのジェネラルマネージャーであるWilliam Wangは述べた。このグループは、他の電子商取引の大手企業からシェアを奪うために、そして業界の立ち位置を改善するために、広告宣伝活動を行っており、さらに小売業にも進出している。

電子商取引がセビージャFCにとって重要な要素であることを示すとして、「今回の契約締結により、アジアおよびグローバル市場における重要な戦略的パートナーを得たことで、世界的なブランドと協力し、国際的な成長を続けていくために重要な立場を得ることができました。」とセビージャFCの代表は述べている。

スペイン国外でのブランドプロモーションは、現在、取締役会において一番大きなテーマとなっている。チャンピオンズリーグをはじめとするヨーロッパの大会で存在感を示し続けていることを利用して、クラブは単なるサッカークラブではなくスポーツブランドになるために、長い年月と多くの資源を投入してきたと、クラブの関係者は説明する。

現在AliExpress社のロゴが入っているシャツ背中側に関して、理事会はチャンピオンズリーグでプレーする際、このスペースをManos Unidas社に譲ることを選択した。クラブのCSRと関連したこの取り組みは、UEFA財団が推進するプログラムを利用したもので、セビージャFCはサッカークラブとしては初めて、NGOのロゴをユニフォームに付けることになった。


Marathonbet社の代わりを探す

このAliExpress社との交渉以外にも、セビージャはこの夏、スペインリーグで頻発する問題に直面している。政府が2021-2022シーズンから、スポーツ界におけるブックメーカーの広告を法的に禁止したことで、1部リーグと2部リーグの多くのサッカークラブの商業ポートフォリオに大混乱が生じたのだ。損失額は9000万ユーロ(約11億7100万円)と推定される。

これは、過去2シーズンMarathonbet社と契約していたセビージャFCのケースだ。このブックメーカーは、多くのチームが新しいメインスポンサーと契約できないという危機的状況であったにもかかわらす、セビージャFCとの契約を放棄せざるを得なかった。

今のところ、2021-2022シーズン男子トップチームの新ユニフォームの胸部には、セビージャFCのスローガンが描かれている。五大陸でブランドを販売するという意味を込めて、クラブがデザインしたものだ。ただ、少なくとも300万ユーロ(約3億9000万円)ほどで、そのスペースを埋めてくれるブランドを見つけることが目的であると明確にされている。


ラ・リーガTOP5の商業は1800万ユーロのビジネスを展開

現在、クラブの2大スポンサーは、テクニカルパートナーのナイキ(2022-2023シーズンからはカストーレ)と、試合用ユニフォームの唯一のスポンサーであるValvoline社だ。

オフィシャルパートナーには、CaixaBank、Scalpers、LG、Cruzcampoが名を連ねている。Cruzcampoの親会社は、新ビジネスディレクターの出身グループであるハイネケンだ。近年、商業分野の貢献度は合計で1600万(約20億820万円)から1800万ユーロ(約23億4300万円)に達しており、この分野では1部リーグの上位5位に入っている。