イングランドプレミアリーグは、中国での放映権を保有していた中国の流通大手「蘇寧電器」が所有するOTT「PPTV」による契約違反で、少なくとも1億8800万ユーロ(約246億4200万円)を得ることになった。

AP通信によると、ロンドンの高等法院は、蘇寧電器が2回のメディア権料の支払いを怠ったとして、プレミアリーグへの賠償金の支払いを命じたという。インテル・ミラノのオーナーが経営する同社は、これまでコロナウイルスによる試合日程の変更を主張していた。100日以上もサッカーができない状態が続いたのは、パンデミックの影響である。しかし最終的にはこの主張は正当ではないと判断された。

この未払いにより、プレミアリーグは一方的に契約を打ち切った。2019-2022年のサイクルでは、1シーズンあたり2億ユーロ(約262億円)近くが支給される契約だった。

また、PPTVは利息と裁判費用を支払う必要もある。判決文によると、昨年から弁護士との間で未払いとなっている弁護士費用がまだ支払われていないとのこと。

プレミアリーグは、この判決についてまだ声明を出していない。契約解除後、同リーグは、蘇寧電器の代わりに「テンセント(同じく中国)」を選んだ。試合の放送に加え、中国の巨大テクノロジー企業が提供するアプリケーション全体を通じて、英国サッカーのコンテンツの放送を増やしていく予定だ。

プレミアリーグは、2019-2022年の放映に関して、前年比8%増となる100億5400万ユーロ相当(約1兆3179億円)のグローバルTV契約を締結している。この増加は、まさに国際的な事業拡大によるものであり、海外権利収入が35.4%増加し、46億ユーロ(約6000億円)に達したことが一つの要因だろう。一方、英国内での契約は13%減となる、54億6400万ユーロ(約7161億9500万円)である。

次のサイクル(2022-2025年)に向けて、プレミアリーグはすでにパートナーであるSky、BT Sport、Amazon、BBCと契約を更新している。具体的な内容は不明だが、現在これらの事業者から提供されている59億9100万ユーロ(約7852億7200万円)は保証されている。