ソーシャルメディアは、ファンとつながるための重要な要素になっているのは今に限ったことではない。ソーシャルメディアのデータ分析を行っているBlinkfire Analyticsの最新調査では、ラリーガとそのクラブの活動によると、ソーシャルネットワーク上のフォロワー数は21-22シーズンに10.6%増加し、6億9370万人になるとされている。

該当プラットフォームには、Twitter、Instagram、TikTok、Facebook、YouTube、Weibo(中国で主に使われているSNS)など、すべてのソーシャルネットワーク上のフォロワーが含まれている。

ラ・リーガでは2年連続でカディスが最もフォロワー数の多いクラブとなった。具体的には、62.3%増で合計548,878人に届こうとしている。この急激な増加は、TikTokを中心としたソーシャルネットワーク上での戦略的なコミュニケーションプランによるものだ。

成長率では、ラージョ・バジェカーノとビジャレアルCFがその後にランクイン。ビジャレアルは、前々シーズンのEL優勝、チャンピオンズリーグで素晴らしい成績を残したことで、それがSNSフォロワー数の増加にもつながった。

セビージャCFもビジャレアルに続き、新規ユーザー数を23.73%増の130万人にすることに成功した。

総数で見ると2021年7月1日から2022年5月23日の間に、最も数を伸ばしたのはラ・リーガ、CLを制覇したレアル・マドリーで、3,580万人のフォロワーを増やすことに成功した。

これに続くのがFCバルセロナで、、2820万人のフォロワーを獲得した。アトレティコ・マドリードは、主要なソーシャルネットワーク上で420万人のフォロワーが増え、新しいフォロワーが最も多い3番目のクラブとなった。

フォロワーを増やすカギとなっているTikTok


さまざまなプラットフォームで、最もフォロワー数を伸ばしたSNSはTikTokだ。ラ・リーガのクラブは、このプラットフォームで96.28%フォロワーを増やしたが、総数では依然としてInstagramがトップの座に君臨している。しかし、TikTokはすでにFacebookを追い抜く勢いだ。

TikTokだけで見るとベティスが一番成長が著しい。同クラブはTikTokのフォロワーを1,677%増やし、現在672,000人を抱えている。

ベティスの公式プロフィールがアプリ上で成長した理由の一つは、同クラブとメインスポンサーであるFinetworkとの一連のコラボレーションによるもので、ベティスをTikTok内で見られるようにしたこと。このような行動により、新たな顧客層におけるブランドの存在感を高めることができた。

またレアル・ソシエダとベティスの試合を無料放送したことも、TikTokでのラリーガの成功につながった要因のひとつといえるだろう。


TikTokの成功は、ご存じの通り、ショート動画にある。21-22シーズンを通して、ラ・リーガのチームはTikTokに前年よりも48%多く投稿し、Instagram Reelsに関しては354%も急増している。

ただし1投稿あたりの平均エンゲージメントは、すでにTikTokがInstagramより高く、Facebookより10倍も高い。このプラットフォームは、すでに全フォロワー数の5.3%を占めており、その比重は年々増え続けている。一方でInstagramとFacebookが全体の3分の2を占め、Twitterは約5分の1を占める。しかしTwitterはInstagramやTikTokとは異なり、独自の形からユニーク性がある。

Twitterは今シーズンも、最も投稿件数の多いネットワーク。その形式から、TL上で会話を生み出し、ファンとの交流を可能にするチャンネルであり、各試合において絶大な役割を果たしているとの調査結果を示している。また中国のWeiboも成長は著しく、投稿数は前年比57%増となっている。