メスタージャ

バレンシアは、21-22年に4610万ユーロの赤字を記録し、前シーズンと比べて48%拡大した。クラブの会計によると、この経営悪化の理由のひとつは、移籍によるキャピタルゲインの削減で、ほぼ半減の2250万ユーロになった。

一方で、メスタージャの入場制限が解除されたことにより、シーズンチケット所有者とソシオから1120万ユーロを得ることに成功したが、これはパンデミック前と同様の数字であった。ファンの根強さは、商業ビジネスにも表れており、クラブの売上高は、前年同期比8%増の2090万ユーロとなった。

支出面では、いくつかのポイントがあった。選手の減価償却費は19%減の4140万ユーロとなり、19-20年との比較では、ほぼ2700万ユーロの減少となる。

また、人件費の維持も注目すべき点である。選手やコーチ陣などへの支出は8340万ユーロと安定し、12万6000ユーロの増加にとどまった。例年との比較で説明すると、パンデミック直前(18-19年)には、この数字は1億500万ユーロであった。

さて、今シーズンは、選手の売却により、クラブは収支の回復に自信を持っている。売却によるキャピタルゲインは1470万ユーロを目指しているが、このうち、ゴンサロ・グエデス(ウルブズ)、カルロス・ソレール(PSG)、マキシ・ゴメス(トラブゾンスポル)、ヤスパー・シレッセン(ナイメヘン)の売却で、すでに5460万ユーロを手にしているとのこと。

今シーズンのバレンシアは、選手獲得に1250万ユーロしか費やしておらず、移籍のみの収支でいうと4210万ユーロの黒字となっている。ワールドカップ中断期間前の時点で10位につけているが、冬の移籍市場も含めてさらなる上位進出を狙いたいところだ。