FIFA

カタールでのワールドカップ開催も控えているということもあり、ソーシャルメディア上のサッカー選手に対する誹謗中傷について、FIFAは、国連の「ヘイトスピーチと闘う国際デー(6/18)」に合わせて、国際大会中にソーシャルメディアのプラットフォーム上でサッカー選手に対する誹謗中傷が増加していることを強調した。

またこれらのSNS上での誹謗中傷を減らすために国際サッカー選手連盟であるFIFProと連携して、ソーシャルメディア上のヘイトスピーチに対抗するプログラムを策定している。

両協会は、大会参加者をより保護するためのモデレーションツールや、今後のFIFA大会で選手に提供されるメンタルヘルスアドバイスなどの教育支援も開始している。

FIFA会長のジャンニ・インファンティーノ氏は、「我々の義務はサッカーを守ることであり、サッカーはピッチ上の活躍によって多くの喜びと幸福を我々にもたらす選手から始まる他ならない。しかし残念ながら、今日では選手、コーチ、審判、チームそのものに向けたソーシャルメディアを通しての誹謗中傷が存在している。サッカーにはいかなる差別も存在してはならない」と述べた。

FIFAの報告書によると、2つの国際大会(ユーロ2020とアフリカネーションズカップ2021)の準決勝と決勝の期間中、人工知能を使ってソーシャルメディアプラットフォーム上の40万件以上の投稿を追跡した結果、50%以上の選手が何らかの差別的な発言を受けており、その多くは選手の出身国に関係するものだったという。

ホモフォビア(40%)とレイシスト(38%)のコメントが最も多く、その多くは、SNS上で今も尚残っているものがある。

また「ネット上での誹謗中傷は社会問題であり、業界として、この新しい形の虐待や差別が、多くの選手に多大な影響を与えることを決して受け入れられない。(中略)今回のFIFAとの連携がそれらの根絶への一歩となることを嬉しく思う」とFIFPro会長のダビド・アガンソ氏は述べている。