カンテラ

RFEFのトップに就任したルイス・ルビアレス氏がアマチュアサッカー界と契約したことの一つに、CLの存在がある。

セグンダB(3部相当、現プリメラRFEF)やテルセラ・ディビシオン(4部相当、現セグンダRFEF)は、確かにヨーロッパの大きな大会には出場できないが、スペインの各無名クラブは、CLとELの収入の中から1万5000ユーロ(約195万円)強を得ている。

スペイン連盟会長が推進しているこの貢献により、19-20シーズンには大会出場権のないクラブへ合計1260万ユーロ(約19億5000万円)を配布された。しかし、どのように分配されるのか、誰がこの支援を受けることができるのか、そしてなぜカンテラが鍵となるのか。


CLやELによる資金分配の現状

ラ・リーガ

まず、UEFAが確保しているCLとELの収入の4%の一部と思われる金額を、ヨーロッパ内に分配したのは19-20シーズンが初めてだった。金額にすると1億400万ユーロ(約135億円)だ

資金分配自体は、00-01シーズンからラ・リーガによって行われていた。しかし当時は、CLやELに出場していないチームの中で、資金の50%を1部リーグ所属のクラブへ、残りの50%は2部リーグ所属クラブへ分配していたため、3部〜5部リーグには配布されなかった。

RFEFがこの資金分配を行った最初のシーズン、同連盟は新たな分配メカニズムを考案した。セグンダBとテルセラ・ディビシオンのクラブが加わったことで、1部リーグと2部リーグへの分配率が100%から75%に下がった(各カテゴリー37.5%ずつ)。

一方残りの25%はセグンダBとテルセラ・ディビシオンに分配され、チーム数の多いテルセラ・ディビシオンには18%、セグンダBには7%の資金が割り当てられた。ただ、同じカテゴリーに所属しているクラブ間の格差はない。

こうして、約950万ユーロ(約1億2300万円)がラ・リーガのクラブに割り当てられ、1チームあたり36万4708ユーロ(約4736万980円)が支払われた。1部リーグに関しては、ヘタフェやエスパニョールなど、ヨーロッパ大会(CLもしくはEL)に出場しているチームを除外することで、19-20シーズンは13チームに分配されることになった。2部リーグでは22チームが支援を受けているため、1クラブあたり21万5509ユーロ(約2798万5998円)に抑えられた。

「このようなUEFAによる支援は独自なものです。特にカンテラ強化に問題を抱えているクラブへ役立ち、それらのクラブはカンテラ強化のためにお金を使わなければなりません」。

というのも、プロサッカー以外では、下部組織の運営があまり知られていない。セグンダBやテルセラ・ディビシオンにはプロサッカーを目指すことだけを目的としたチームがあり、そこにはカンテラの構造が存在しない。この場合支援は受けられない。


分配金の支払い条件

カンテラ

また、税務署や地方自治体の財務省、社会保障庁への支払い義務を怠っているチームは分配金を受け取ることはできない。サッカー管理局に何らかの借りがあれば、申請は受理されず、子会社も助けてくれない。

これらの理由から、2シーズン前にセグンダBにいた80チームのうち46チームしか支援を受けられず、1チームあたり1万5526ユーロ(約201万6206円)となった。また、テルセラ・ディビシオンのチームは7585ユーロ(約98万4988円)強を手にした。

2021年は、この支援金を受け取るために以下の3つの条件を満たす必要がある。もちろん100%カンテラにつぎ込むという条件は変わらない。

・15〜21歳で構成されるチームを2つ持つこと

・10〜14歳で構成されるチームを1つ持つこと

・10歳以下で構成されるチームを1つ持つこと

しかし、ここには大きな注意点がある。「地域の公的規制により、これらのユースチームを持てない、もしくは持つことが困難な場合、クラブは高いレベルのチームを1つ増やすことで補うことができる」と明らかにされている。メッシなどを生み出したカンテラを強化することは将来的なチームの強化につながるだろう。