元グローバルサッカー副代表のカルロス・ホメデス氏と、欧州サッカー全体を統括していたマルコ・ガルゾ氏は、スポーツに関する製品やサービスの助言やお勧めができるプラットフォームを立ち上げた。


幹部になる前は、エリート選手になるためにグラウンド上で奮闘していた。しかしカルロス・ホメデス氏とマルコス・ガルゾ氏に選手として成功を収めることができなかった。ただ選手としては成功できなかったものの、ナイキでは両者共にこの20年間高い地位で働き、この度アスリートによるアスリートのための商品・サービスのマーケットプレイスとなる「Sporttips」を設立し、起業家として新たな道を歩み始めることとなった。

「近年は、アスリートのニーズがカバーされていなかったり、最適な方法を教えてくれる人がいなかったことが目立っています。」そこで、アスリートのコミュニティを作り、その中でアスリート自身が「エリート選手に支持された信頼できるサービス」を形成するというアイデアが生まれた。このアプリはすでにスペインの有名アスリート達から支持されている。

パラリンピックの有名選手であるテレサ・ペラレス氏は「Sporttipsでは、たったのワンクリックでアクセスできます。自分が子どもの頃にもこのようなサービスがあれば良かったなと思います。」と話している。

このアプリではすでに、栄養学や理学療法、税金や法律に関するアドバイス、さらにはアメリカ留学用の奨学金探しなど、あらゆる種類のサービスを提供している。ホメデス氏とガルゾ氏は、プロ、アマチュアを問わずアスリートが必要としている「パフォーマンス、健康、教育、マネジメント」の4項目を中心にアドバイスをするべきだと考えている。

このサイトへの登録は無料で、コンテンツを共有する全会員のアドバイスや、内容や情報を検証した上で承認された情報提供者リストにアクセスすることができる。取引が行われるたびに、会社は販売価格の手数料を取る。一般的には知られていないもののレベルの高い専門家達の新たな収入源になるチャンスだ。

アスリート向けの有料サービスは、主にトッププレーヤーによるトレーニング方法などの助言サービスと連携し、有料ユーザー向けに特別なセッションを提供している。

「皆スポーツをする際に目標を立てますが、ここではその目標を達成する方法を見つけることができます。」彼らのモットーは「ユーザーに全ての情報を与えよ」であり、それがこのサービスの内容に繋がっている。「疑問に思っていることを投げかけると、質問者に適したサービスを見つける手助けをしてくれます。」と話している。

ホメデス氏とガルゾ氏は、スポーツから受けた恩恵の一部を同じスポーツ界に還元することがこのプロジェクトの目的だと強調している。また、この場では障がい者スポーツや男女平等というテーマに重きを置きたいということを考えている。また、スポーツ財団の声をユーザーに届け、それを聞いたユーザーが寄付できるようにする。「この寄付金は全てスポーツ財団のプロジェクトに使用され、手数料は一切かかりません。」と明言している。

この先どうなるか分からないが、ホメデス氏とガルゾ氏は30年以上に渡るアスリートやスポーツ施設に関する仕事で築いてきた幅広いネットワークを持っている。実際、2020年10月に立案されたプロジェクトがわずか9ヶ月で日の目を見ることができたのも、このSporttipsに存在するネットワークのおかげだ。

この2人の経営者は、常にビジネスに没頭していたというわけではない。例えばホメデス氏はルイジアナ大学でテニスをしながらビジネスを学ぶといういわゆる「二刀流」だった。1989年にバルセロナに戻り、電通やACB(スペインバスケットボール協会)で働いたのち、1996年にナイキに入社した。そしてここでキャリアを全うした。バルセロナからオレゴン(ポートランド)への過程で、アムステルダム、サンパウロ、ブエノスアイレスを経て、サッカー部門のブランドを管理し、南半球でのビジネス全体を統括した。

一方でガルソ氏は、ファッショングループ「ベネトン」のスポーツ部門で働いていた際、ホメデス氏に誘われてSwooshというブランドに入社した。その後、テニスやマーケティング部門で様々な役割を果たし、2010年には南ヨーロッパのGMに就任した。8年後の2018年には、サッカー部門のゼネラルマネージャーに昇格した。