アメリカンフットボールチーム「サンフランシスコ・フォーティナイナーズ」を傘下に置くファンドが、プレミアリーグのリーズ・ユナイテッドの全株式買収を検討している。2018年、同フランチャイズは、クラブの大株主であるアンドレア・ラドリザーニ氏からリーズの10%の株式を購入した。その後、その割合は増え続け、2021年現在、49ersエンタープライズはチームの44%を占めている。

この取引が成立するためには、49ers Enterprises社は2024年1月までに資金提供の申し出をしなければならない。スポーツメディアによると、この提案は4億ユーロ(512億円)規模になるという。この取引には、エランド・ロードスタジアムとクラブのスポーツセンターの所有権も含まれる。プレミアリーグに復帰してから、リーズ・ユナイテッドの価値は上がり続けており、現在チームの評価額は2億5870万ユーロ(約331億6800万円)となっている。

近年、プレミアリーグは大規模な企業グループに好まれる傾向にある。これらの企業は、クラブの株式に投資し、完全買収にまで発展するケースも見られる。これはクラブ改善、スポーツの成功、収益の増加をもたらす。

その端的な例が、リバプールのケースだ。レッズは、2010年からフェンウェイ・スポーツ・グループ(ボストン・レッドソックスのオーナー)が所有しているのだが、その後、6回目のチャンピオンズリーグ制覇、30年ぶりのプレミアシップ制覇など、スポーツ面での成功を収めている。その結果、彼らはイングランドで最も財政的にもスポーツ的にも安定したチームの一つとして位置づけられている。

しかし、大規模な投資がすべて成功したわけではない。2003年からは、NFLチーム「タンパベイ・バッカニアーズ」のオーナーであるマルコム・グレイザー氏が、マンチェスター・ユナイテッドの株式取得に踏み切った。2005年には、約7億9000万ポンド(約1184億8900万円)を投じてクラブの完全所有権を獲得したが、レッドデビルは2013年以来、プレミアリーグを制覇していない。