シンデレラストーリー

7月7日は七夕だ。幼少期に短冊に願いを込めて何かを書いたことがある人がほとんどだろう。私が最後に書いたのは大学時代で、その時は「恋人が欲しいです」と書いたのを覚えている。

今回はサッカー選手の順風満帆なキャリアではなく、苦労人たちのシンデレラストーリーを3つ紹介する。

ジェイミー・ヴァーディー

7部リーグ相当のノーザンプレミアフットボールリーグで選手キャリアをスタートさせたヴァーディーは、1年目からゴールを量産すると、チームも6部リーグに昇格した。その後5部リーグのチームに移籍すると30得点以上をマークするという大活躍を見せ、翌年には当時2部リーグに所属していたレスター・シティへ大きくステップアップすることに。

2部リーグでの2年目にはプレミアリーグ昇格へ導く活躍を見せ、14-15年に自身初となるプレミアリーグの舞台に立つこととなった。

1部リーグでの1年目こそはゴール数が少なかったものの、2年目にはエースストライカーとしての大活躍を見せ、クラブ史上初となるプレミアリーグ制覇を達成した。その後はコンスタントにゴールを積み重ね、19-20年にはプレミアリーグ得点王を獲得。イングランド代表にも選ばれるなど、素晴らしいシンデレラストーリーを歩んだ。

ジュニオール・メシアス

イタリアで冷蔵庫配達員をしながらアマチュアサッカー選手をやっていたメシアスは16-17シーズンはセリエDでプレーしていた。翌年はセリエC、翌々年はセリエB、19-20シーズンではセリエBの所属クラブ、クロトーネでセリエA昇格を果たす。

20-21シーズンには念願のセリエAデビュー。翌年クロトーネは降格するが21-22シーズンからはミランにローン移籍。そのシーズン、クラブはCL復帰したが、ポルト、アトレティコ、リバプールと難敵だらけのグループだった。

第4節を終えた時点で勝無しの中で迎えたアウェイのアトレティコ戦、途中出場でCLデビューのメシアスはゴールを決めてチームの救世主(メシア)に。またリーグ優勝にも貢献し、現在キャリアで最も素晴らしい時期を迎えている。

エンゴロ・カンテ

小さい頃に父親が他界したことで、母親と4人兄弟で育った。決して裕福ではなかったため、カンテ自身も幼い頃からゴミ拾いをしてお金を稼いでいた。そんなカンテは1998年のW杯でフランスが優勝したことでサッカーを始めるきっかけに。

プロデビューは2010年で、リーグ・ドゥのブローニュだった。しかしそのシーズンにクラブは3部に降格。2013年まではチームの主力として3部リーグで奮闘した。その活躍が評価され、2013年からはリーグ・ドゥのクラブ、カーンに移籍。そしてそのクラブで2シーズン過ごしリーグ1昇格を果たすといよいよ、トップレベルのプレミアリーグ所属のレスターに移籍。

それからはレスターが起こしたジャイアントキリングの立役者となる。翌シーズン(16-17)にはチェルシーに移籍し個人として破竹のプレミアリーグ2連覇。2018年にはW杯優勝。20-21シーズンにはCL優勝。サッカー選手を夢見た少年は今となっては、サッカー選手の誰もが望むビッグタイトルを全て獲得した。