インテルとACミランのホームスタジアムであるジュゼッペ・メアッツァ(サン・シーロ)が総工費10億ユーロ(約1300億円)で改装される。新スタジアムは2027年にオープン予定。


前例のない商業的合意により、ミランとインテルはジュゼッペ・メアッツァ(自治体所有)のある土地を譲り受けた。2024年に取り壊し、両チームが公式試合を行う新スタジアムを新たに共同建設することになった。

その額は破格の10億ユーロ(約1300億円)。名前は明らかにされていないが、この投資の背後には大手多国籍企業が存在すると言われている。オープンは2027年が予定されている。

ミランとインテルの新本拠地は、まだ明確なプロジェクトがあるわけではないが、両クラブのファンの間ですでに候補に挙がっているのが、「ラ・カテドラーレ」である。スタジアムの収容人数は80,000人から65,000人に縮小される予定だという。

「ヨーロッパ最大のスタジアムでの特注の座席レイアウトは、これまで以上にファンとの距離を縮め、一生の思い出を作り出します。ラ・カトラーレは、ACミランとインテル・ミラノという2つの伝説的なクラブにユニークな本拠地を提供し世界の象徴となるでしょう」と公式サイトで発表されている。

そして、「ここはモスクワやマンチェスターにあるような典型的な一般的なスタジアムではありません。ミラノを代表する2つの建物、ドゥオーモとガレリアからインスピレーションを受けたスタジアムです。ヨーロッパで最も持続可能なスポーツ・エンターテイメント都市であるミラノの、ミランのためのスタジアムです。街の新しいアイコンとなることでしょう」と付け加えられている。

「スタジアム以上の存在」

この構想の推進者によると、「ラ・カテドラーレは地区の中心を形成し、クラブ、ファン、コミュニティを豊かで刺激的な未来に導く、365日持続可能な目的地となる」という。

競技場を囲むように、太陽の光が差し込むギャラリーがあり、エレガントなガラスのファサードで囲まれている。そこにはプロムナードが設けられ、ミラノが世界に誇る美食文化にインスパイアされたさまざまな飲食店舗が並ぶ。座席レイアウトは、耳をつんざくような雰囲気を維持しながら、スタジアム外のあらゆる騒音を最小限に抑える音響制御によって近隣住民を保護することができる。

ラ・カテドラーレは、各試合に合わせたビジュアルになる。インテル・ミラノの試合時には、青い光の蛇がスタジアムを包み込み、ミランがホームとして使用する際は、建物の奥から発せられる燃えるような赤に輝くように設定されるという。ダービーが行われる際には、各ファンの所属クラブに応じた色付けが施され、スタジアムの中心コンセプトである「歴史ある2つのチームが互いに結びつき、かつミラノの人々によって結ばれる」を最もドラマチックに表現する。