プレミアリーグ36節アーセナルvsリーズユナイテッド戦でスタメン復帰をしたトミーこと冨安選手。クラブ内でも両足を使えて複数ポジションをこなせることでも有名だ。

今回は冨安のように欧州5大リーグからそれぞれ左右で遜色なくサイドバックをこなせる選手を1人ずつご紹介。

リーグ1 – ハキミ


2021年夏にインテルからPSGに移籍し、21-22年を主力としてリーグ優勝に導いたモロッコ代表DFハキミ。現時点で30試合(スタメン27試合)に出場し、4ゴール6アシストを記録している。PSGやインテルでは基本的に右サイドバックでプレーしているが、ドルトムント時代には左サイドバックとして活躍することも多かった。

爆速のサイドバックとしてその名を馳せており、世界中で見てもトップクラスのスピードを誇る。ドルトムント時代にはブンデスリーガ最速記録を出していたが、バイエルン・ミュンヘン所属のカナダ代表アルフォンソ・デイビスに抜かれることになった。

さらに、2022年1月に行われたアフリカ・ネーションズカップではフリーキックを1試合に2回決めるなど、様々な引き出しを持つ選手となりつつある。

 

 

セリエA – フロレンツィ


セリエAからは小柄な兄貴肌、フロレンツィが選出。ローマ時代はRMFでプレイしていたがRSBにコンバートされた。この選手は随所に器用さを見せる。ローマ時代は絶対的な存在だったトッティがFKを任されていたため目の当たりにすることがなかったが、実はプレースキックも得意としている。

ローマからバレンシアへ半年間の期限付き移籍、その後買取OP付き移籍でPSGに渡るが当時監督のポチェッティーノが満足のいくプレーができず買取は見送られローマに帰還。その後21-22シーズンからはACミランでこれまでの経験を活かしてRMFとRSB、時々LSBでもプレーしている。

ブンデスリーガ – パヴァール


最終ラインを全てカバーできるユーティリティ性の高い選手だ。サイドバックながら体格にも恵まれ競り合いにも安心感をもてる。

17-18シーズン、当時シュツットガルトに所属していたパヴァ―ルは全試合フル出場というケガ耐性の高さも目立った。このシーズンは現在メインとしているRSBではなくCBとしてチームの守備に貢献していた。

攻守ともにバランスの取れたサイドバックで、キックの制度は2018年ロシアワールドカップを見た人なら納得だろう。

ラ・リーガ – デスト


メッシのバルセロナ退団会見でバスケのユニフォームで出席したことで知った人も多いだろう。アメリカ合衆国のデストは今シーズン、ジョルディ・アルバの代わりとしてクーマン時代、シャビ時代の両方で左サイドバックとして出場している(第6節のカディス、第7節のレバンテ戦、第8節アトレティコ戦、第9節のビルバオ戦)

足元技術が高く、攻撃的なサイドバックだ。本能的にプレーすることが多く、戦術レベルが高くサッカーIQが求められるバルセロナでシャビ監督の要望を満たせるかは心配だが尖った選手であることに違いはないだろう。

プレミアリーグ – カンセロ


マンチェスターシティで右利きながら左サイドでも主力としてプレイできるカンセロは18-19シーズンでは主に左サイドバックを任されていた。本来なら利き足は右なので一般的には右サイドバックを任されるかもしれないが、指揮官のペップの下では左サイドバックとして起用されることも多々ある。

現在では世界最高峰のサイドバックとして名高いカンセロだが、「カンセロロール」と呼ばれる、本来のサイドバックの役割、ビルドアップ時にはアンカーやインサイドハーフのようなポジションニングをとる、いわゆる「偽サイドバック」の役割をこなす。

このとても複雑な役割をこなせるのはカンセロの技術の高さ、ペップの複雑な戦術を理解できるサッカーIQの高さが故だろう。

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