ナイキは、侵害されたとされる特許のリストをルルレモンに送ったが、ルルレモン側は「過度に広範で無効」であるとしてこれに同意していない。


ナイキは、特許侵害の疑いでカナダのスポーツウェア会社「ルルレモン」を提訴している。苦情の内容は、本業のスポーツウェアとは関係なく、家庭用フィットネス分野で成長を図るために2020年に買収したフィットネス企業「Mirror」に対するものだという。

ナイキ側は、ルルレモンに送った書面の中で、ユーザーに運動を誘発し、心拍数をモニターし、ランニング中のスピードと消費カロリーを測定できる装置の特許を1983年に出願したと主張している。実際ナイキは、「ナイキランクラブ」や「ナイキトレーニングクラブ」など、モバイルフィットネスアプリも多数展開しているが、ルルレモンはこれに同意せず、「過度に広範で無効」であると主張した。

Mirrorは、自宅でのトレーニングに最適なスマートミラー。カナダでは2021年に2億5000万ドルから2億7500万ドル(約289億8300万円〜約318億8100万円)の売上を見込んでいたが、現在は半分の1億3000万ドル(約150億7100万円)以下の売上を目指している。ルルレモンは、2021年の売上高を62億5000万ドル(約7245億6900万円)と見込んでいるが、この数字はルルレモン全売上高のわずか3%未満である。

■ルルレモンはカナダのバンクーバーに本部を置くスポーツウェアの小売業社。日本にも店を展開しており、東京には六本木ヒルズや新宿マルイ、大阪には心斎橋やルクア大阪に店を構える。