UEFAは7月28日、2022/23シーズンの男子クラブ大会に参加するチームの試合を観戦する「セーフスタンディングエリア」の利用を監視するプログラムを開始すると発表した。「セーフスタンディングエリア」とは、立って試合を観戦することができる特殊な座席システムだ。

このプログラムはUEFA主要大会においてセーフスタンディングエリアを導入できるかを調査するものであって各国のリーグを束縛するものではない。

近年立見席への関心が高まってきており、欧州の幾つかのリーグでは実施しているところもあるという。更に、既にプレミアリーグでは来シーズンから要件を満たしているクラブは実施することとなっている。詳しくはこちら。

そんな中でUEFAが欧州大会で利用できないかと検討しているわけだ。

2021年12月、UEFAはミラノ工科大学に委託し、欧州のプロサッカー界における各国の規制の枠組み、技術、既存施設のセキュリティ管理などを検証する独立した調査を実施したところ、国によって、時には同じ州内でも地域や都市によって、非常に異なるアプローチがあることがわかったそうだ。また、安全・安心管理への影響が大きく異なる様々な技術的ソリューションも使用されている。

このセーフスタンディングエリアだが導入のメリットは観客動員数の上昇にあり、例えば、ボルシア・ドルトムントのスタジアムの収容人数は65,829人から81,365人に増加するという。バイエルン・ミュンヘンの場合は立見客15,794人、総収容人数75,024人となる予定だ。

このプログラムは、2022/23 UEFA男子クラブ大会のグループリーグおよび決勝トーナメントから準決勝までを対象とする。シーズン終了後、任命された専門家が提出した報告書に基づき、UEFA事務局はプログラムの結果を評価。その結果をUEFA執行委員会に提出し、執行委員会はプログラムの継続と延長の可能性について決定する。 

このプログラムは、少なくとも導入期には、欧州5大リーグのクラブに限定されるが、現時点でイタリアとスペインでは、セーフスタンディングエリアの検討は想定されていない。