マンチェスターシティ

2022年の冬の移籍市場で、アルゼンチンリーグのトップ選手フリアン・アルバレス(リーベル・プレート)が、プレミアリーグの強豪マンチェスターシティへ移籍することが決定した。

フリアン・アルバレスは、2022年の前半戦は、マンチェスターシティに所属しながら「レンタル移籍」という形でリーベルプレートでプレー。先日のパトロナート戦ではハットトリックを達成しており、強豪クラブでのプレーに弾みをつけている。

さて、フリアン・アルバレスのように、アルゼンチンなどの南米リーグから欧州強豪リーグに引き抜かれる事例はよく見られる。

同じリーベルプレートで見てみると、2020年に主力CBルーカス・マルティネス・クアルタがフィオレンティーナへ、2021年には主力SBモンティエルと前年度得点王のFWボレがそれぞれセビージャとフランクフルトへ移籍している。

ところで、フリアン・アルバレスはマンチェスターシティと5年半契約を結んだが、プレミアリーグの選手としては平均を大きく上回る契約年数だ。しかし、シティ・フットボール・グループのスカウティング基準を見てみると平均レベルだそう。

 

欧州各国リーグの選手契約年数

グリーリッシュ

2021年夏の移籍市場、欧州トップ20のリーグでは3000人以上の移籍が発生した。その中で、選手に提示された契約年数の平均は2年4ヶ月だった。

しかし、プレミアリーグでは平均3年2ヶ月、ブンデスリーガでは平均2年10ヶ月、リーグ1では平均2年9ヶ月、ラ・リーガでは平均2年7ヶ月、セリエAでは平均2年5ヶ月と欧州5大リーグでは、他リーグよりも長い契約年数を結ぶ傾向にある。

話はプレミアリーグに戻るが、2021年夏の移籍市場以前に結ばれた契約の平均期間は2年9ヶ月で、4年を超える期間はわずか10%に過ぎない。

こうして見ると、マンチェスター・シティは長くチームで活躍してもらえるような才能を求めていることがわかる。

マンチェスターシティの場合

デブライネ ベルナルド・シウバ

絶対的主力であるベルギー代表MFデブライネは、2021年4月に契約更新を行い、2025年まで延長することになった。デブライネは2015年8月にマンチェスターシティへ加入しており、全うすれば10年間同一クラブでプレーすることになる。

また、昨年現役引退を余儀なくされたクン・アグエロは、2011年〜2021年の10年間をマンチェスターシティでプレー。そして、2019年に入団したジョアン・カンセロは、数週間前に2027年までの更新にサインしており、全うすれば8年間の在籍となる。

さらに、ベルナルド・シウバも2025年に8年に到達する予定で、2019年に契約更新を行ったギュンドアンも2023年に7年の在籍となる。その他、フォーデンやジェズス、スターリングなども同等かそれ以上の契約を結ぶとされている。

マンチェスターシティのこのような契約に際する手法にはシティ・フットボール・グループの存在が欠かせない。

 

シティ・フットボール・グループの存在

メルボルンシティ

シティ・フットボール・グループは世界の11クラブで構成されているが、目的は、マンチェスター・シティを核として、世界的なサッカー事業グループを構成すること。11クラブの間では、グループであることを生かして、選手を移籍させたり、育成サッカーを合同で強化させることができる。所属クラブは以下の通り。

・マンチェスターC(イングランド)

・ニューヨークC(アメリカ)

・メルボルンC(オーストラリア)

・モンテビデオCトルケ(ウルグアイ)

・ロンメルSK(ベルギー)

・トロワAC(フランス)

・横浜Fマリノス(日本)

・ジローナ(スペイン)

・ムンバイC(インド)

・四川九牛足球倶楽部(中国)

・クルブ・ボリバル(ボリビア)

シティグループ内の役割

シティグループ

シティ・フットボール・グループCEOのフェラン・ソリアーノ氏は、マンチェスター・シティ に関して、「マンチェスター・シティはあくまでもサッカーのレベルの高さが重視される。選手を育成し、高額で売却することには興味がない」と強調している。

一方で、シティグループの他のクラブに関しては、「例えば、モンテビデオ・シティ・トルクでは、選手の育成と販売以外は考えていない」と主張。

「多くの有望選手が在籍するウルグアイ国内の各クラブから優秀な選手を集めるのではなく、一つのクラブ内で直接我々のメソドロジーを用いて選手を育成したいと考えている。将来的に、彼らにはメキシコやMLS、ヨーロッパのクラブで力を発揮してほしい」と続けた。