レアル・マドリード

先日、『Brand Finance』から2022年最も価値の高いクラブランキングトップ50が発表された。同社のレポートによれば、レアル・マドリードが4年連続で世界で最も価値のあるサッカークラブとなった。

レアル・マドリードの2022年のブランド価値は、ブランド力の向上と収益のプラス傾向によって19%増加した。昨年は、コロナウイルスの影響と当時頓挫していた欧州スーパーリーグ計画によるファン心理の悪化でブランド価値が落ち込んでいたが、何とか復活することができた。

それでは、2022年のブランド価値ランキングトップ50の傾向と概要を見ていこう。(トップ50はこちら ※外部に飛びます)

ラ・リーガの成長

アトレティコ・マドリード

2022年はラ・リーガの時代になるのか。レアル・マドリードのみならず、ラ・リーガの他のクラブも大きくブランド価値を高めている。最も成長率が高いのがベティスの+33%、続いてアトレティコ・マドリード(+30%)、ビジャレアル(+24%)、バレンシア(+22%)、アスレティック・ビルバオ(+20%)。成長率で言えば、これらのクラブはレアル・マドリードよりも優れていることになる。

Brand Financeでは、トップ50までが発表されているが、ラ・リーガでは既出の7クラブとセビージャを合わせると、18%も価値を高めている。レアル・マドリードとバルセロナは、昨年に続いてベスト3に入り、次点のアトレティコ・マドリードは順位を一つ上げて12位となった。

これらの3クラブとセビージャは、22-23年のチャンピオンズリーグ出場権を獲得しており、入場制限なしの観客動員も相まって、さらに価値を上げる可能性もある。

また、今回33%の成長を見せたレアル・ベティスは、2年連続のヨーロッパリーグ出場権を獲得したため、こちらも目覚ましい成長を見せるかもしれない。ベティスが良い結果を残した理由は、オーナーのクラブ愛が強いことやプレースタイルがファンにとって魅力的なものであるからなのではないかというBrand Financeの見解もある。

マンチェスターCがバルセロナを抜いて2位に

マンチェスター・シティ

マンチェスター・シティ(ブランド価値19%増の1954億円)は、2015年以来初めてFCバルセロナ(ブランド価値5%増の1950億)を追い抜いた。これにより、マンチェスター・シティはレアルに次いで2番目に価値のあるクラブとなった。これは、2022年のプレミアリーグ優勝や2021年のCL準優勝、2022年のベスト4が大きく影響している。

一方で3位に転落したバルセロナは、2022年にわずか5%の成長しか見せていない。ブランド力としてはいまだに強力ではあるものの、ブランド価値は2019年のピークから右肩下がりとなっている。そんなバルセロナは、カンプノウの命名権をスポティファイに売却するなど、経営面の立て直しを図っている。

リバプールの上昇とマンチェスターUの下落

アンフィールド

21-22年プレミアリーグで過去最低の勝ち点でシーズンを終えたマンチェスター・ユナイテッド(ブランド価値11%増の1841億円)は、マンチェスター・シティとリバプール(ブランド価値31%増の1873億円)に及ばず、「サッカー50ランキング」で5位に後退した。3位より下の順位になったのはクラブ史上初だ。

ただ、22-23年のCL出場権を獲得できず、また、近年ピッチ上での結果もイマイチであるにもかかわらず、ブランド価値が上昇を記録し、4年ぶりに下落を回避した。

一方でリバプールは、前年の6位から4位まで順位を上げた。プレミアリーグ(2位)、FAカップ(優勝)、EFLカップ(優勝)、チャンピオンズリーグ(決勝進出)の全てで素晴らしい結果を残していることが一つの要因だろう。

トッテナムがチェルシーとアーセナルを上回る

トッテナム

トッテナム・ホットスパー(ブランド価値21%増の1190億円)は、ブランド価値において過去最高を記録し、同じロンドンのクラブであるチェルシー(ブランド価値11%増の1166億円)、アーセナル(ブランド価値18%増の1081億円)を上回る、世界第8位のブランド価値となっている。

トッテナムは21-22年のプレミアリーグで、アーセナルとマンチェスター・ユナイテッドを上回り、22-23年のチャンピオンズリーグ出場権を獲得したが、CL出場は、トップクラブのすべてのステークホルダーにとって重要度が増してきており、選手、スポンサー、オーナー、放送局などが強い影響を受けている。

2015年に最も価値のあるサッカーブランドトップ10に初めて登場して以来、スパーズはブランド力と収益の両方を着実に伸ばしてきた。クラブは、欧州チャンピオンズリーグの出場常連クラブになったこともあり、放映収入が増え、パートナーシップにプレミアムを課すこともできるようになった。

ただ、トッテナムの新スタジアムは、興行収入を増加させたものの、スタジアム命名権をスポンサーに売却するという目標はまだ達成できていない。

ユベントスの安定性とACミランの急成長

ユベントス

ユベントス(ブランド価値25%増の956億円)が、イタリアで最も価値あるサッカークラブとしての地位を維持した一方で、ACミラン(ブランド価値76%増の365億円)は、最も急速な成長を遂げた。ユベントスは11位でキープし、ACミランは29位から17位までアップ。

ユベントスがイタリアで最も価値のあるサッカーブランドであり続ける理由には、セリエAとコッパ・イタリアの最多優勝記録があるだろう。ユベントスのブランド力は、サッカー面での持続的な成功の下に築かれたものだ。ユベントスは、「スタジアムの質」、「フェアプレー」、「スポンサーシップ」、「パートナー企業や放映局にとっての魅力」、「平均観客動員数」で特に高い評価を受けた。

世界で最も急速に成長しているサッカーブランドであるACミランは、かつての栄光を取り戻すために、ブランド価値で急速な成長を遂げた。

ACミランのブランド価値は、パンデミック前の2019年のブランド価値最高値435億円をまだ16%下回っているが、2010年にBrand Finance初のランキングで7位に取り上げられて以来、ブランド価値を大きく変動させており、今回こそブランド価値を維持したいと願っていることだろう。

ユベントスとACミランの他に、インテル(30%増加、672億円)、ナポリ(32%増加、247億円)、ローマ(49%増加、245億円)、アタランタ(52%増加、167億円)がトップ50にランクイン。さらに評価額129億円で初のトップ50位入りを果たしたフィオレンティーナを合わせると、イタリアからは7チームがランクインしていることになる。

バイエルンは成長、ブンデス全体で見ると、、、

バイエルン・ミュンヘン

バイエルンは、ブンデスリーガ10連覇を達成し、ブランド価値5%増の11億ユーロを達成した。しかし、ブンデスリーガのクラブ全体で見てみると、価値の総額は2022年に5%減少しており、まさに「一強」が垣間見える。

これは主に、リーグに対する認知度の低下が原因だ。ブンデスリーガを競争力が高いと見るファンはわずか18%で、プレミアリーグやブラジルリーグの60%やラ・リーガの50%と比べると大きく下回っている。

ただ、この傾向を打開しようとしているのは、フランクフルト(ブランド価値8%増の259億円)だ。ヨーロッパリーグ決勝のレンジャーズ戦に勝利し、3ランクアップの22位という史上最高の順位になった。ブランド価値の上昇は、来年のチャンピオンズリーグ出場により、スタジアム、放送局、商業施設の収益が増加すると予想されるなど、より前向きな収益予測が組み合わさっていることに起因する。

大きな成長を見せるアタランタとベティス

レアル・ベティス(ブランド価値33%上昇)は、コパ・デル・レイで17年ぶり優勝を飾り、ヨーロッパリーグ出場圏内の5位でリーグ戦を終えるなど、最も急速に成長しているブランドの1つだ。また、競技面以外にも、クラブはファンからの認知度も高く、スペインのクラブで最も地域社会への貢献度が高いと評価されている。

一方でアタランタ(ブランド価値52%増の168億円)は、2022年のヨーロッパリーグで準々決勝に進出したことで、ブランド価値を急激に成長させるなど、ピッチ上での素晴らしいパフォーマンスを活用してより大きな商業収益を上げることができた。

トップ50で唯一欧州外からランクインしたフラメンゴ

フラメンゴ

ブラジルのフラメンゴ(ブランド価値130億円)は、同ランキングトップ50で唯一のヨーロッパ以外のチームとして49位に入った。ランクインした欧州ビッグ5以外のクラブは、セルティック(ブランド価値19%増の153億円)、アヤックス(ブランド価値3%増の247億円)、ベンフィカ(ブランド価値12%減の137億円)とフラメンゴだけだ。

フラメンゴのブランド価値は、ブラジルの中で2番目に価値の高いパルメイラス(ブランド価値57億円)の2倍以上となっている。

あるアンケートでは、フラメンゴファンの63%はチームスター選手が多くいると答え、別のアンケートでは、33%は自分の好きな選手がフラメンゴにいると回答。どちらの指標でもフラメンゴは世界のどのチームよりも高いスコアを出している。

スター選手が多くいるクラブは、ファンを喜ばせたり、スポンサーにとって良い影響を与えたりするだけでなく、多くのブラジルクラブのビジネスモデルになっているヨーロッパの富裕層クラブへの高額移籍にも繋がる。

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